エンプラニュース2018年11月号

2018年11月末日発行

主な見出し

<1面>

ポリプラスチックス PPS「ジュラファイド® 」の自動車冷却系部部品用途などにおけるバリ取りを無くすため、金型からの無理抜き成形が可能なグレードと形状(寸法など)を確認、無理抜き成形を実現しバリ取りをしないで済むグレードとして冷却系部部品用途など向けに紹介していく。同社では今後とも「材料提案」と共に、今回のような「工法提案」により付加価値の創造に貢献していく。

<2面>

PPS「ジュラファイド」の無理抜き成形の検討内容(1面のつづき)

<3面>

アールエフ 全国28事業所に11月からX線産業CT(コンピュータ断層撮影装置)「NAOMi-CT」(商品名)を設置した「さんぎょうCT診断センター」を順次開設、成形品などを持ち込んで誰でも無料で使えるサービスを開始した。操作に資格は不要で、撮影対象物は、食べ物から金属、昆虫、おもちゃなどなんでも。子供から大人まで簡単な説明を受けた後は自由に使える。全国で1日12組、月240組の利用を見込んでいる。土・日・祝日も利用でき、利用時間は11時から19時まで。撮影データを見ながら打ち合わせができる小会議室もあり、インターネット環境やセルフの飲み物も無料、撮影データを持ち帰ることもできる。

<4面>

JSP 平成31年3月期第2四半期(平成30年4月1日~同年9月30日)の連結決算をこのほど発表した。それによると、売上高は574億5、000万円と前年同期比1・1%増となった。一方、営業利益は製品価格改定の遅れなどにより同43・7%減の28億100万円、経常利益は同39・5%減の29億9、900万円、四半期純利益は同34・6%減の23億5、000万円となった。

<5面>

ケミトックス EN45545-2鉄道車両用材料に対する燃焼挙動要求に対応するため、ISO5658-2に基づく表面火炎伝播試験を実施する態勢を整えた。これは民間機関としては初めて。

平成30年8月のプラスチック加工機械生産実績

平成30年8月のプラスチック、ゴム加工機械輸出及び輸入実績

<6面>

2018名古屋プラスチック工業展 10月31日から11月2日までの3日間、ポートメッセなごやで開催されたが、前回(2015年)の開催日程より1日短く、土曜日の開催もなかった中で、来場者は3日間で18,662人と前回を上回り活況となった。

 ~アールエフ X線産業CT「NAOMi-CT」、平面X線撮影装置、デジタルX線センサー「NAOMI-NX」、先端可動内視鏡を出展。‶実機でお試し撮影を実施するので、希望者はサンプル持参のこと〟と事前に告知していたので、サンプルを持参した人も多かったが、撮影を行っているといつの間にか多くのギャラリーが注目しており、実際撮影した画像を見て「すごい!」、「おもしろい!」、「明日サンプル持ってきます」などの感想も聞こえ、画像の鮮明さスピードに感心していた。

 ~住友重機械工業 IoT/M2Mソリューションを全体コンセプトに全電動射出成形機「SE315EV-A-HD」の①温調機/SPICCP通信②取出機条件リンク③品質管理パッケージ/生産完了パッケージ④QRコードを利用した周辺機器との連動⑤マグネットクランプ―の特別仕様で出展。特にお客が興味を示したのは、QRコードを利用したトレーサビリィティシステム。分散した成形品管理情報をQRコードに集約することで成形品管理の手間や時間を省くことができる。「QRコードによる認証」アプリケーションは、成形条件・取出機チャック板・樹脂・ユーザー情報など、段取り時に必要な項目情報をQRコード化して読み取ることにより、条件の自動呼出しや正誤詳認・ユーザー認証を行うことができるもの。ミスのない正確でスピーディな段取りを実現できる。ただし、この機能はオプション。

<7面>

 ~東洋機械金属 360°フルロータリー竪型射出成形機「ET-80ⅡVR4」、射出成形機+ガス低減システム「Si-100-6S、SAG+αⅡ」を実演。現場での悩み「稼働率向上」「トレーサビリティ強化」「省人化」に対しては、管理システム「T-Remote lite Ver2」と遠隔操作システム「T-Remote Web」でデータ管理と操作を、今回初お披露目となった金型監視装置「T-Vision」で金型、製品の異常を検知することでサポートすることを紹介した。加えて「T-Vision」は新制御「SYSTEM800」、「T-Remote Web」との組み合わせることで、遠隔地からリアルタイムに金型内、製品の確認ができるというIoTへの対応を紹介し、多くの関心を集めていた。

 ~中村科学工業 ミリ波を使った水分計「ミリ波水分測定システムWWA」は圧巻で、ほとんどが注目したのをはじめ、「スマートファクトリーの実現に向けた取り組み」や除湿乾燥機NLGシリーズ及び多彩なオプションに興味をもたれた。ミリ波水分測定システムWWAは、ミリ波を利用してプラスチックペレット中の水分を測定する業界初の装置。ミリ波においてプラスチックペレット中の水分率を測定する、この新しい方法は、その場ですぐに、水分率を数値として表示することができる。

 ~カワタ 乾燥機、微粉除去装置、軽量混合機を実演、IoTもパネルにモニター・コントローラーをはめ込みわかり易く展示した。注目されたのは成形工場の生産性向上を支援する「つながる機器―KAWATA Smart-Link」。機器とパソコンとが周期的に通信を行うことによりパソコン側に大容量のデータを保存することができ、これにより今までは見ることができなかった過去のデータをいつでも見ることが可能となる。

<8面>

 ~ソディック V-LINE®だからできる高難易度成形(GL30-LP)や生産性向上(MS200)および成形自動化システム(HC03VRE)の成形実演、およびSodick IoTとしてETDL4システムとSSM(Sodick Scientific Molding)ツールを出展、様々な魅力ある実演を行った。V-LINE高付加価値製品用高応答射出成形機「GL30-LP」では、PEEKの給湯器用継手モデルを成形実演した。同機は業界最高レベルの最大射出速度 800mm/sおよび射出加速度 12・7Gを実現し、鋭い速度の立上り立下りにより設定射出速度への瞬時の到達および追従を特長とする高応答射出成形機。

PEEKは非常に高い耐熱性を有するとともに成形時には高粘度材料でもあり、微細形状の成形などは非常に難易度が高い樹脂であるが、継手部の細かなメッシュ形状まで正確かつ安定して成形・再現する「GL30-LP」の能力の高さに感嘆の声が上がっていた。

 ~日本油機 「ベント式射出可塑化ユニット」を射出成形機に搭載して‶乾燥レス成形〟はじめ、ペレット自家製造装置「SRルーダー・バンビ」の新機種によるリペレット加工、定量供給装置「ハングリーフィーダ」を50㌧射出成形機に搭載して実演。また会場でベントプレゼンテーション「ベント式成形機による量産不良ゼロ成形で工場のすべてが変わる」というテーマで講演、「乾燥機がいらない」「型メンテ回数が減る」「不良が減る」といっただけではなく、この設備を導入し使いこなすことができればコストを下げられ、生産性を上げられ最終的にこのような利益を得ることができるという、具体的な成果を示したことから、非常に好評だった。

 ~松井製作所 「factor4 connect つながる提案・つながる未来」の出展コンセプトのもと、地元の自動車業界のお客を念頭に企画展示を行った。自動車業界のトレンドである、CASE(Connectedつながる、Autonomous自立運転、Shared共有、Electric電動化)を意識し、それによって起こるかもしれないプラスチック成形での様々な技術課題を切口にソリューションを展開、新製品等を紹介した。

 ~ホロン精工 独自技術(特許)で開発した空冷式の造粒機「e・PELLETER」および「c・PELLETER」を出展、粉砕機MC250-7により粉砕したプラスチック粉砕材を、空冷式造粒機EP50-8により造粒実演した。押出機からの溶融ストランドをペレットにカットする成形工場向けの空冷式の造粒機「e及びcペレッター」は、特にエンプラの粉砕材をバージン材と同形状の良質なペレットに作り直せ、しかもシンプル設計によりコンパクトかつ、低コストということが浸透してきている。作り直したペレットは空冷式によるため成形前の予備乾燥が不要というメリットもある。

<9面>

 ~ホーライ 幅広い品揃えのランナ用粉砕機から軟質系・エラストマーランナ用粉砕機「SWK-1618」、低回転スクリーンレス粉砕機「LC-1025」、2軸破砕機「KR-2060」で、パネル展示が樹脂ブロック専用のDB型粉砕機「DB-3048」を出展。樹脂ブロック専用のDB型粉砕機はパネル展示だったものの、中国のプラゴミ輸入禁止により、樹脂ブロックを自社で処理しなければならなくなったことから注目され引合いも多かったとみている。


積水化成品工業 微粒子ポリマー「テクポリマーHM」シリーズの遮熱タイプを開発。テクポリマーは、積水化成品独自の重合技術を用いた微粒子ポリマーで、液晶ディスプレイや照明カバーの光拡散材、塗料・インキの艶消し材等、さまざまな用途で採用されているもの。節電や省エネの意識が高まるなか、遮熱や断熱効果が得られ、温度制御に寄与する材料が幅広い分野で求められている。このような状況に対応するため同社では「テクポリマーHM」シリーズの遮熱タイプを開発した。

<10面>

平成30年8月のプラ原材料生産実績

平成30年8月のプラ製品生産実績

平成30年9月のプラ原材料統計速報

平成30年9月のプラ製品統計速報

PSの平成30年9月度の実績、7~9月期実績

第3回住宅・ビル・施設WEEK 12月12~14日、東京ビッグサイトで開催される。同展は住宅、ビル、公共施設や商業施設などあらゆる建築物を対象とした建築総合展。

プラスチック・ニュース社

「エンプラニュース」「プラスチック成形材料データBOOK」を発行している会社です。