エンプラニュース2019年7月号

2019年7月末日発刊

主な見出し

<2面>

ポリプラスチックス パワーコントロールユニット(PCU)向け材料を中心に、自動車の電動化に伴う材料開発の取り組みを紹介した。自動車部品は非常に厳しい環境下で使用されるため、樹脂にはそのような環境下における耐性が要求される。特にPCUをはじめとした、高電圧部品では吸水による絶縁特性の低下が懸念点として挙げられる。ポリプラ製品のPBT樹脂「ジュラネックス® 」、PPS樹脂「ジュラファイド® 」は吸水率が低く、自動車の厳しい環境下でも絶縁特性を維持する特長を有しており、多くの高電圧部品に採用されている。

<3面>

帝人 チェコの自動車向け複合材料部品メーカーであるチェコのベネット・オートモーティブ社を買収し、完全子会社とすると発表した。欧州における提案力の強化、ならびに販売チャネルのさらなる拡大を図るため、ドイツをはじめとする多くの有力自動車メーカーが生産拠点を構える中東欧の中心部にあたるチェコに本拠地を持ち、幅広い採用実績を有するベネット・オートモーティブ社を買収することにしたもの。

三菱ケミカル 炭素繊維強化プラスチック(CFRP)が、八千代工業㈱が開発・製造・販売する「CFRP ROOF」(Honda S660用)に採用された。

YOKOI Labo 元・東京大学生産技術研究所横井秀俊教授は、3月末の東京大学を定年後、個人事務所YOKOILabo開設の準備をしてきたが、6月から代表として、コンサルタント業務を中心に本格的に活動を開始した。なお、6月18日に東京大学名誉教授に就任した。

<4面>

スーパーモルダー会7月例会 PLAMO㈱茂木淳史社長による「IMPブロックの精度向上」などについて、並びに㈱初田製作所防災事業部NBM推進室佐藤康之室長による「火災発生リスク簡易無料診断サービスの紹介」を行った。

~PLAMO㈱茂木淳史社長による「IMPブロックの精度向上」などについて

PLAMOは、射出成形による精密成形や独自技術による厚肉成形などを行っている成形加工メーカーで、特に顧客の厳しい性能要求に対応することで高く評価を受けており、昨年末には第三工場を建設するなど躍進している。同社はスーパーモルダー会のメンバーであり、茂木淳史社長による講演をこれまで3回行っているが、日々、精度向上などで進化しているため、今回さらに進化する精度向上について講演してもらった。

<5面>

~初田製作所防災事業部 佐藤康之室長による「火災発生リスク簡易無料診断サービスの紹介」

初田製作所は、明治35年創立された消火器のメーカーの老舗で、現在では各種消火器及びシステム、警報システム、防災関連機器などまでを扱う防火・防災の専門メーカーとして知られている。また、2014年には帝人のPBN樹脂製の中が見える消火器も開発している。

同社佐藤康之室長は、工場全域の防火対策はどうなっているかを、実際に工場に行き、あらゆる個所を点検し、火災発生のリスクがあるかどうか、リスクがあった場合の対応などを無料で診断する「火災発生リスク簡易無料診断サービス」について説明した。

<6面>

三菱エンジニアリングプラスチックス ポリアミドMXD6成形材料「レニー」の需要拡大に向けて、新たな情報通信分野であるIoTや5G(第5世代通信)に向けての用途展開を視野に入れている。レニーは自動車等輸送機部品や電気・電子部品はじめ様々な分野で使用されているが、まず射出成形品に三次元回路形成できるLSD技術によるアンテナ用途の拡大、またレニーの高剛性を生かし5Gモバイルのフレーム材などで新情報分野での用途展開を図っていく考え。

三菱ケミカル バイオエンプラ「DURABIO(デュラビオ)」が、コイズミ照明(株)の温浴施設用の照明セードに採用された。 

第8回高機能プラスチック展 12月4~6日の3日間、幕張メッセで開催される(主催・リードエグジビションジャパン)。

YOKOI Labo 横井秀俊代表は、社会連携研究部門「未来志向射出成形技術」第1回講演会を12月3日(13時~)、東京大学生産技術研究所で開催する。参加料無料。

<7面>

ハーモ 小型の工業部品やコネクタなど小物部品をまとめて包装できチューブフィルム自動包装機「LMシリーズ」を開発、販売しているが、好調な販売が続いている。同シリーズは、包装資材にチューブ状の低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムを使って、製袋しながら包装するチューブフィルム包装機。チューブ方式のため静電気により付着したホコリが入らず、清潔に包装でき、小型の工業部品やコネクタなどをまとめて包装できるのが大きな特長。

4月のプラスチック加工機械生産実績

4月のプラスチック、ゴム加工機械輸出入実績

<8面>

ケミトックス 今年で10年目を迎えたミニセミナーの今年度後半スケジュールを別表の通り発表した。同セミナーは、インタラクティブなセミナーとするため、参加定員10名に限定し、講演終了後には情報交換の場ともなる技術交流会を行っており、好評となっている。

<9面>

エコネコル 愛知県一宮市に「亜臨界融合技術・装置」を導入した新工場を開設。これにより、通常廃棄される「バイオマス(木質系、竹)」「プラスチックごみ」「廃棄野菜」「住宅解体廃材」などの廃棄物や、リサイクル炭素繊維などの高難易度処理廃物を活用した高充填樹脂複合材原料を製造することが可能になる。

神奈川県立産業技術総合研究所 2019年度教育講座「射出成形現象工学コース」が11月1、7、15、28日と12月5日の5日間、かながわサイエンスパーク(川崎市高津区)で開催される。

<10面>

2019年4月のプラ原材料生産実績

2019年4月のプラ製品生産実績

2019年5月のプラ原材料統計速報

2019年5月のプラ製品統計速報

PSの2019年5月度の実績

GSアライアンス 既に開発しているセルロースナノファイバーを生分解性プラスチックに複合化させる技術と、同社の母体である冨士色素の長年の色材、顔料分散の技術を融合させて、セルロースナノファイバーを複合化させた生分解性プラスチックカラーマスターバッチを開発した。生分解性プラに色材を複合化させただけのものより、セルロースナノファイバー(CNF)を複合することによる引張強度などの機械的強度を向上させることにも成功している。


プラスチック・ニュース社

「エンプラニュース」「プラスチック成形材料データBOOK」を発行している会社です。