エンプラニュース2020年3月号

2020年3月末日発刊

主な見出し

<1面>

フドー 連続炭素繊維強化樹脂の3Dプリント&プレス成形法を開発した。同成形法は高い機械的強度を有するCFRPとしての特長を保持しつつ、3Dプリンターの特長である、比較的自由な製品形状を可能としている。

<3面>

東レ 従来真球化が困難であった高融点ポリアミド(ポリアミド6、66)を簡便にマイクロレベルの真球粒子にする新しい技術を創出した。同技術により、高い耐熱性、強度を必要とする実用部品向けの造形物を3Dプリンターで実現することが期待できる。

エボニックインダストリーズ 世界初となる粉末焼結積層造形法(SLS)3Dプリンティングでの医療用インプラントの高解像度造形に適した生分解性ポリマーパウダ「RESOMER® PrintPowder」をこのほど発表した。同パウダーは、医療用機器製造に準拠した仕様、かつ精密成形性に優れた粒度分布を持つ流動性パウダー。

三菱ケミカル Mitsubishi Chemical Advanced MaterialsAG傘下の三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ㈱(MCAMJ)と三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズコンポジット㈱(MCAMCJ)を、4月1日付でMCAMがMCAMCJを吸収する形で統合する。

コベストロ トヨタ紡織㈱と共同開発した新素材が、トヨタ自動車㈱の電気自動車コンセプトカー「LQ」に採用された。新素材は、コベストロのAdvanced Baypreg® F NFの技術とトヨタ紡織のケナフ繊維の技術を日本で進化させ共同開発した軽量ケナフ繊維強化ポリウレタンコンポジット(PUC)で、トヨタ「LQ」のドアトリムに採用されたことで、世界に初披露された。

デンカ ABS耐熱付与材「デンカIP®」の新グレード「デンカIPX シリーズ」を開発した。すでに千葉工場(千葉県市原市)にて同シリーズの量産体制を構築しており、2022 年には年間4、000 ㌧の販売を計画している。

<4面>

積水化成品工業 持続可能社会に貢献する無架橋発泡ポリエチレンシート「ライトロン®」植物由来グレード「ライトロン」BIOを開発した。ライトロンは、軟質でクッション性に富み、独立気泡体なので、断熱性、防水・防湿性に優れているという特長がある。また薬品や油分にも侵されにくい素材で、各種包装資材や、農業資材、雑貨など、さまざまな用途において広く使われている。今回、環境保全に配慮した製品を求める市場状況から、ライトロンに、部分的に植物由来の素材を適用した「ライトロン」BIOを新たに開発した。

クラレ 洗剤や薬剤などの個包装用フィルムとして需要が拡大している水溶性ポバールフィルムの生産設備を、ポーランドに新設することを決定した。投資額は約50 億円で、2022年央の稼働を予定している。

クラレ 2019年12月期(2019年1月~同年12月31日)の連結決算をまとめた。それによると、売上高は前期比4・5%減の5、758億700万円、営業利益は同17・7%減の541億7、300万円、経常利益は同21・1%減の482億7、100万円となった。

旭化成 スチレン系樹脂であるAS樹脂、ABS樹脂およびACS樹脂(製品名「スタイラック」、「エステロイ」)事業からの撤退を決定した。

<5面>

ユニチカ ケミカルリサイクルによる再生資源を有効活用した環境配慮型の食品包装用ポリエステルフィルム「エンブレットCE」を開発した。同フィルムは先に開発した食品包装用ナイロンフィルム「エンブレムCE」に続く、2番目の環境配慮型食品包装用フィルムとなる。

積水化学工業と住友化学 〝ごみ〟 を原料としてポリオレフィン(PO)を製造する技術の社会実装に向けて協力関係を構築することに合意した。これは〝ごみ〟をまるごとエタノールに変換する生産技術の開発に成功した積水化学と、ポリオレフィンの製造に関する技術・ノウハウを有する住友化学が協力することにより、〝ごみ〟をポリオレフィンにケミカルリサイクルするサーキュラーエコノミーの取り組みを推進するもの。

住友化学と室蘭工業大学 廃プラスチックを化学的に分解し、プラスチックなどの石油化学製品の原料として再利用するケミカルリサイクル技術に関する共同研究を推進することを決めた。

<6面>

三菱ケミカル サーキュラーエコノミー(循環型経済)の推進に向けた取り組みの一環として、スイスにあるエンプラのリサイクル会社であるMingerKunststofftechnik AG及びMinger Plastic AG(総称してミンガーグループ)を、三菱ケミカルのグループ会社であるMitsubishi Chemical Advanced Materials(MCAM、本社・スイス)を通して買収することを決定した。

クラレとNISSHA 人工皮革「クラリーノ」を使用した「マテリアルインサート」を共同開発し、両社の有する販売チャネルを通じて販売を開始する。クラリーノは高級感がありながら機能性やメンテナンス性に優れたクラレの人工皮革、「マテリアルインサート」は布や木など素材の持つ触感や特性をそのまま活用することが可能なN社 のインサート成形技術。

ソルベイ 感染予防関連製品の市場をリードするPDIヘルスケア社(PDI社)が実施した同社の医療用消毒剤とソルベイの高性能特殊ポリマーに対する性能試験および外観評価試験を実施した結果を発表した。医療機器には院内感染のリスク抑制のために強い消毒剤が繰り返し使われるが、医療機器にはソルベイのポリマーが広く使用されている。試験結果の詳細はPDIヘルスケア社のウェブサイトで閲覧できる。

ソルベイ 医療機器部品構造体に向けて、構造用途に適した高い強度と優れた耐衝撃性能と寸法安定性を有す、ガラス長繊維強化熱可塑性樹脂コンパウンド(LFT)「Xencor」コンパウンドをこのほど紹介した。

BASF 塩化ビニル樹脂(PVC)との共押出に使用でき、塩ビ製窓枠の特性を大幅に向上する、PBT樹脂「Ultradur(ウルトラデュアー)」の新グレード「 B4040G11HMG HP green 75074」を開発した。

<8面>

住友化学 住友化学レポート2019およびサステナビリティデータブック2019が、このほど環境省と一般財団法人地球・人間環境フォーラムが共催する第23回環境コミュニケーション大賞の環境報告部門において、優良賞を受賞した。

2019年12月のプラ原材料生産実績

2019年12月のプラ製品生産実績

2020年1月のプラ原材料統計速報

2020年1月のプラ製品統計速報

PSの2020年1月度の実績

<9面>

プラ機械の2020年の市場動向調査 日本産業機械工業会プラスチック機械部会は、このほどプラスチック機械産業の市場動向調査報告書をまとめた。それによると射出成形機の2020年の需要は、国内市場は3、550台で2019年に比べ大幅に減少、輸出は8、380台で同年比大幅に減少し、国内製の出荷台数は11、930台で2019年に比べて大幅に減少すると予測している。また日本メーカーの海外工場からの出荷台数は2019年よりも減少するとみている。

<10面>

ダイセルとTBM 生分解性を有する酢酸セルロースと、世界中に豊富に存在する石灰石を使用した新素材「海洋生分解性LIMEX(仮称)」の共同開発を開始した。新素材は石灰石というサステナブルな原料を使用することで、石油由来プラスチックの代替ができる材料。酢酸セルロースによって生分解性が加わり、堆肥や土壌だけでなく、海中でも速やかに生分解され、環境負荷の軽減に繋がる。

三井化学 米国のS&P Global 社とスイスのRobecoSAM 社 による世界の代表的なサステナビリティ格付け「RobecoSAM Sustainability Award 2020」において、世界の主要な化学企業108 社のうち評価スコアが上位15%以上、かつ前年度からスコアが最も向上した企業として「IndustryMover」に選定された。

2019年12月のプラスチック加工機械生産実績

2019年12月のプラスチック及びゴム加工機械貿易実績

プラスチック・ニュース社

「エンプラニュース」「プラスチック成形材料データBOOK」を発行している会社です。