エンプラニュース2019年9月号

2019年9月末日発刊

主な見出し

<1面>

住友化学 LCP「スミカスーパー」の事業展開として、射出成形グレードのみならずフィルムグレードにも力を入れている。フィルムグレードは世界で唯一、溶媒に可溶なLCPを持ち、また誘電正接(Df)が極めて低いインフレーション及び押出成形用フィルムグレードを量産している。溶媒可溶グレードポリイミド(PI)と同じプロセスで銅張板が作れること、また成形用グレードはモディファイドポリイミド(MPI)では難しいとされるミリ波帯での高周波通信の回路基板にも適していることから、PI、MPIの代替として攻勢をかける。

東京大学生産技術研究所 第1回未来志向射出成形技術シンポジウムが、11月27日(13:00~17:30)、東京大学生産技術研究所An棟コンベンションホールで開催される。参加料は無料(申し込み順、定員160名)、懇親会(17:40~19:00、事前申し込み)の参加料は1千円。

<2面>

スーパーモルダー会9月例会

~大塚化学 「複合材料コンパウンド『PTICON』開発の最新動向について」

<3面>

ビクトレックス 自動車産業の国際的な品質マネジメントシステム規格IATF16949の認証を取得したと発表した。これにより米国グランツバーグにある同社の「VICTREX・PEEK」のギヤ製造施設において、自動車OEMおよびティア1のニーズに合致した品質マネジメントシステムが適切に構築されていることが証明された。

<4面>

積水化学工業 9月12~22日にドイツのフランクフルトで開催された世界最大のモーターショー「IAA2019」に、同社グループの技術を搭載したコンセプトカーを出展、初公開した。このコンセプトカーは総合素材メーカーとして、車輌・輸送分野においても様々なソリューション提供が可能であることをお客に知ってもらうことを目的に、新製品を含む約40種類の製品を搭載したもの。同社の製品は外観では見えない中間素材が多くあるが、自動車における使用部位や役割・機能をより分かりやすく理解してもらうため、お客に見て触って体験してもらい、複数の製品を同時に体験できるような設計上の工夫も施している。

カネカ カネカ生分解性ポリマー「PHBH®」が欧州委員会「欧州食品接触材料及び製品に関する規則のポジティブリストに1月掲載された後、欧州委員会の審査、欧州議会、EU理事会の立法手続きを経て、8月28日から施行となったとこのほど発表した。これにより、今後欧州連合全域で、フルーツ・ベジタブル袋などのドライフード用途に加え、ストローやコップ、カトラリーなど全食品接触用途で使用可能となった。

帝人 帝人および帝人グループで先端的なコンポジット製品の設計、加工技術開発、試作を手掛ける㈱ジーエイチクラフト(本社・静岡県御殿場市)は、FRP(繊維複合材料)を用いて、折り紙のように折りたたむことができる構造体「ORIBAKO」(折箱)を開発した。ORIBAKOは、FRP製のパネルとヒンジ(ちょうつがい)を貼り合わせた多面体の構造物。FRP製であるため軽量で、運搬や設置場所での展開・設置・撤収、保管などを容易に行うことができる。

<5面>

4面記事つづき

<6面>

クラレ 2019年12月期第2四半期(2019年1月1日~同年6月30日)連結決算をまとめた。それによると、売上高は前年同期比4・6%減の2、874億1、900万円、営業利益は同23・0%減の279億2、100万円、経常利益は同28・6%減の246億8、500万円、四半期純利益は同41・3%減の132億5,400万円となった。

SABIC 4種類の高耐熱光学熱可塑性樹脂が、光学システム設計ソフトウェアの業界標準となっているZemax OpticStudio®の材料データベースに追加されたと発表した。

<7面>

BASF 土壌生分解性プラスチック「ecovio® M2351」を6年前から販売しているが、農業用のマルチフィルム用として需要が伸びているという。同材料は生分解性コポリエステルであるポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)である「ecoflex®」および再生可能原料から製造された他の生分解性ポリマーで構成される、認証済みのマルチフィルム用土壌生分解性プラスチック。

<8面>

リファインバース 高機能樹脂事業において、エンプラを中心とした様々な廃棄プラスチックのリサイクル事業の展開および拡大を推進しているが、その主要製品の一つであるリサイクルナイロン樹脂の製品ブランドを「リアミド(Re-amide)」と決定し、今後市場への訴求を強化するとともに、積極的な販売を展開していく。(リアミドは、シリコーンコーティングされたエアバッグ基布や海水中で使用されたナイロン樹脂製廃棄漁網等を原料にして、同社が開発した高純度分離技術をコア技術とし、生産技術においては繊維加工の技術を応用することにより生み出されたリサイクルナイロン樹脂。)これに伴い原料となるナイロン樹脂製廃棄漁網の調達を目的に、日本製網工業組合(日網工組)との協業を開始した。

また、リファインバースは、人工透析用中空糸膜の製造工程から発生する工程端材を原料として、ポリサルフォン(PSF)の再生材料を開発し販売を開始する。これまで廃棄されていた中空糸膜の工程端材をメーカーより回収・ペレット化し、プラスチック製品メーカーに成形用材料として供給していく。

みやこ プラスチックストロー、レジ袋廃止の動きを受け、テイクアウト飲料を購入する場で一般消費者の環境問題に関する意識・行動について8月初めに10代~60代男女100人の調査を行った。環境にやさしいプラスチックカップがあれば使用してみたいかの質問に対しては、83%が使用してみたい。とうもろこしやじゃがいも、さとうきびなどの植物に含まれるでんぷんを主原料とした環境にやさしい「PLA(ポリ乳酸)のカップ」の存在は70%が知らない、など。

住友化学 インドの国営石油会社、バーラト・ペトロリアム社(BPCL)との間で、同社が進める石油化学プロジェクトに対するプロピレンオキサイド(PO)製造技術のライセンス契約を締結した。

<9面>

積水化成品工業 高湿度下において性能を保持できるゲル素材「テクノゲル」〈LSグレード〉を開発した。テクノゲルは、ポリマーマトリックスの中に、水や保湿剤などの溶液や電解質を保持させた、肌にやさしく安全性に優れたゲル素材。生体電極の部材として、皮膚とのインターフェイスに広く使われている。

アルテック 3Dプリンタ業界大手のストラタシス社の子会社であるMakerBot社の最新機種「METHOD」のデモ機をショールームに導入した。これに伴い、ベンチマークテストが可能となった。

6月のプラスチック加工機械生産実績

6月のプラスチック、ゴム加工機械輸出入実績

<10面>

アルテック 3Dプリンタ造形サービスの概算見積シミュレーションシステムの運用を開始した。3Dプリンタの造形サービスの価格は、モデルの形状や大きさ、向き、材料、個数などにより様々で価格表はない。正式な見積りを依頼する前に、今回のシステムを利用することで速やかに概算の造形コストを算出することができる。

2019年6月のプラ原材料生産実績

2019年6月のプラ製品生産実績

2019年7月のプラ原材料統計速報

2019年7月のプラ製品統計速報

PSの2019年7月度の実績

プラスチック・ニュース社

「エンプラニュース」「プラスチック成形材料データBOOK」を発行している会社です。